働く女性のあゆみ
第5期 高度経済成長期の女性労働<1956 年 - 1974 年>
日本が飛躍的な経済成長を続けていく過程で、女性の生き方や働き方は大きく変化した。
1956(昭和31)年の『経済白書』で「もはや戦後ではない」と述べられた頃から、日本は急速に高度経済成長期へと移行していった。人々の生活もそれまでの節約を美徳とする生活から消費型生活へと変貌していった。家庭用電化製品が大量に普及し、家計に占める教育費、レジャー費の比率が増大した。
人々は国の経済的発展と個人的な生活レベルの向上を求めて、懸命に働いた。外で働く夫を支える妻には、家庭を守る「主婦」の役割が期待された。女性たちは、学校を卒業すると結婚までの一時期働くことが一般的になった。しかし長く働き続けるケースはまれであり、結婚・出産を機に退職し、子育てをする女性たちが大半を占めた。
その後、若年労働者の不足、家電製品の普及に伴う家事労働の軽減、就業意識の変化等によって、家庭に入った女性たちは子育てが一段落すると、パートタイム労働者として職場に進出していった。
また農村では、男性が都市に出稼ぎに出かけ、女性や高齢者が農業の担い手となっていった。