働く女性のあゆみ
第3期 戦時の女性労働<1930 年 - 1945 年>
恐慌から戦争に続く昭和前期、女性は男性に代わって労働の担い手となった。
1930(昭和5)年に昭和恐慌が発生し、都市も農村もこれまで経験したことのないほどの困窮に陥った。特に農村への打撃は大凶作と重なって大きかった。
昭和恐慌からの脱出過程で、日本の産業構造は軽工業から重化学工業中心へと移行が図られた。都市は徐々に恐慌から立ち直ったが農村の困窮は長引いた。
1937(昭和12)年の日中戦争の勃発以降、1938(昭和13)年の国家総動員法の成立を経て、国民の生活は戦時体制へ突入していった。
衣食から思想まで統制は生活全般にわたった。
この時期、つぎつぎに徴兵されていく男性に代わって農業や工業をはじめさまざまな仕事を女性が担っていった。
未婚女性や女子学生までが動員されて労働にたずさわるようになった。
その一方、総動員体制の下で人口政策として早婚と多産が奨励された。
戦争末期、戦局が厳しさを増し、食料・物資の不足が深刻になった。
空き地に畑を作るなどの有効利用や代用品などの工夫が求められ、生活は厳しかった。 また、出征や徴用、学童疎開など家族が離れ離れの生活を強いられた。戦争はすべてにわたり多大な犠牲をもたらした。