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F社雇用関係存続確認等請求(上告)
- 事件の分類
- 解雇
- 事件名
- F社雇用関係存続確認等請求(上告)
- 事件番号
- 最高裁 − 昭和51年(オ)第1240号
- 当事者
- 上告人 個人1名
被上告人 F株式会社 - 業種
- 鉱業
- 判決・決定
- 判決
- 判決決定年月日
- 1977年12月15日
- 判決決定区分
- 上告棄却(上告人敗訴)
- 事件の概要
- 被上告人F株式会社では経営合理化のため間接部門の整理統合を行うこととなり、その結果、男子職員5名、女子工員10名の余剰がでたので女子工員については既婚者を中心に退職を求めることとした。
労働組合の了承を得て、女子について希望退職の募集を行ったところ、既婚者は上告を除く全員7名、未婚者2名が退職願を提出した。
上告人は昭和28年5月から同社に雇用され、機械事業部高崎工場に配属され業務に従事していたものであるが、同社は退職願を提出しない上告人に対し、内容証明郵便により、就業規則の「己むを得ない事業上の都合によるとき」に該当するとの理由で解雇する旨の意思表明をした。
これに対し、上告人が、解雇は合理的理由を欠き無効であることを理由に、雇用契約上の地位確認を求めた。前橋地裁は、人員整理は、諸条件を考慮して、最適の者として選ばれたのが既婚女子であったというのであるから合理的理由があると判断したが、これを不服として女子労働者が控訴したが、控訴は棄却された。本件は、その上告審である。 - 主文
- 本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。 - 判決要旨
- 会社が経営改善のため、高崎工場において人員整理を行う必要に迫られていたとする原審の認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして是認することができ、その過程にも所論の違法はない。原審の確定した事実及び記録上うかがわれる諸般の事情に徴すれば、上告人に対する本件解雇が経営合理化に籍口して既婚女子のみを排除するためのものであったとはいえないとした原審の認定判断は、是認することができないものではない。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
- 適用法規・条文
- 03:民事訴訟法401条,03:民事訴訟法95条,03:民事訴訟法89条
- 収録文献(出典)
- 最高裁判所裁判集民事122号435頁、
労働経済判例速報968号9頁、
労働法律旬報952号81頁 - その他特記事項
- なし。
顛末情報
事件番号 | 判決決定区分 | 判決年月日 |
---|---|---|
前橋地裁 − 昭和41年(ワ)第332号 | 請求棄却(原告敗訴) | 1970年11月05日 |
東京高裁 − 昭和45年(ネ)第2988号 | 控訴棄却(控訴人敗訴) | 1976年08月30日 |
最高裁 − 昭和51年(オ)第1240号 | 上告棄却(上告人敗訴) | 1977年12月15日 |