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大阪セクシュアルハラスメント(市立中学校)損害賠償請求上告事件

事件の分類
セクシュアル・ハラスメント
事件名
大阪セクシュアルハラスメント(市立中学校)損害賠償請求上告事件
事件番号
最高裁 − 平成11年(オ)第469号、最高裁 − 平成11年(受)第404号
当事者
上告人 個人1名
被上告人 個人1名
業種
サービス業
判決・決定
決定
判決決定年月日
1999年06月11日
判決決定区分
上告棄却(上告人敗訴)
事件の概要
1審原告は、公立中学校の英語教諭(女性)であり、1審被告は同じ中学校で英語教諭(男性)をしていた者である。

1審被告は、1審原告が重要な仕事をまかせられるようになると、1審原告に対し、嫉みを持つようになり、周囲に1審原告は性的に不満である等の性的発言や仕事において信用できない人物等の発言など、1審原告を誹謗中傷する発言を繰返した。

そこで、1審原告は、被告の右行為は、(1)1審原告の学校内、英語学会内等における就労及び活動の環境・条件を悪化させ、1審原告を精神的に追い詰め、1審原告の就労及び活動意欲を萎縮させ、1審原告を迫害する目的に繰り返された嫌がらせ、苛めで、人格権を侵害するものであり、(2)仮にそうでないとしても、1審原告の名誉及び信用を毀損するものであるから、1審被告は、1審原告に対し、民法709条により、その被った損害を賠償する責任があると主張して、慰謝料100万円及びこれに対する不法行為後である平成6年8月31日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めて、訴えを提起した。
大阪地裁は、男性教諭に対し、50万円の支払を命じ、大阪高裁は、同人に対し30万円の支払を命じた。これに対し、男性教諭が上告したのが本件である。
主文
本件上告を棄却する。
本件を上告審として受理しない。
上告費用及び申立費用は上告人兼申立人の負担とする。
判決要旨
民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民訴法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、理由の不備をいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに右各項に規定する事由に該当しない。本件申立ての理由によれば、本件は、民訴法318条1項の事件に当たらない。
よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
適用法規・条文
03:民事訴訟法312条1項,03:民事訴訟法312条2項,03:民事訴訟法318条1項
収録文献(出典)
なし。
その他特記事項
なし。