判例データベース
資格研修センター解雇控訴事件
- 事件の分類
- 解雇
- 事件名
- 資格研修センター解雇控訴事件
- 事件番号
- 大阪地裁 − 平成6年(レ)第178号
- 当事者
- 控訴人 株式会社(資格研修センター)
被控訴人 個人1名 - 業種
- サービス業
- 判決・決定
- 判決
- 判決決定年月日
- 1995年01月27日
- 判決決定区分
- 棄却
- 事件の概要
- 被控訴人(第1審原告)は、控訴人(第1審被告)との間で、平成5年7月19日、テレフォンアポインターとして雇用契約を締結した女性である。
控訴人においては、入社後3ヶ月を経過したテレフォンアポインターには毎月120万円以上の売上げノルマが課せられていたが、被控訴人はノルマを大幅に達成できなかった。そこで、控訴人は平成6年1月10日、被控訴人に対し、このままでは30日後に解雇する旨告げた。これに対し被控訴人は1ヶ月に最低5件の契約を取るよう努力する旨述べたが、それ以降も売上げを上げられず、自ら申し出た目標も達成できる見込みがなく、また勤務態度も良好とはいえなかった。そこで控訴人は平成6年2月11日、被控訴人に対し、即時解雇する旨の意思表示を行い、30日前に解雇予告を行ったとして解雇予告手当を支払わなかった。
これに対し被控訴人は、控訴人が平成6年1月10日に行った通告は、労働基準法20条にいう解雇予告に当たらないとして、平均賃金の30日分の解雇予告手当14万8548円の支払いを請求した。第1審では、原告の請求を認め、被告に解雇予告手当の支払いを命じたことから、被告が地裁に控訴したものである。 - 主文
- 本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。 - 判決要旨
- 労働基準法所定の「解雇の予告」は、使用者が労働者に対し、確定的に解雇の意思を明示することを要すると解するのが相当であるところ、控訴人は被控訴人に対し、平成6年1月10日において告げた事実は、「がんばってもらわないと、このままでは30日後に解雇する。」旨通告しているものの、その内容自体曖昧であるほか、その趣旨を善解するも、被控訴人が業績を上げなければ1ヶ月後に解雇することがあるかもしれないという解雇の可能性を示すに過ぎないとの趣意を超えるものではなく、加えて、その後、控訴人は被控訴人の申し出を受け入れて被控訴人の勤務実績を観察したことに徴すると、右通告をもって確定的な解雇の意思を予告したものとは到底認めることができない。
- 適用法規・条文
- 労働基準法20条
- 収録文献(出典)
- 労働判例680号86頁
- その他特記事項
- 本件は第1審―1994年9月30日大阪簡易裁判所判決の控訴審である。
顛末情報
事件番号 | 判決決定区分 | 判決年月日 |
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