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コード製造会社暴言等解雇事件
- 事件の分類
- 解雇
- 事件名
- コード製造会社暴言等解雇事件
- 事件番号
- 東京地裁 - 平成3年(ワ)第10287号
- 当事者
- 原告 個人1名
被告 株式会社 - 業種
- 製造業
- 判決・決定
- 判決
- 判決決定年月日
- 1992年05月25日
- 判決決定区分
- 棄却
- 事件の概要
- 原告は、昭和62年12月被告に雇用され、技術部検査課に所属して製品の受入検査及び出荷検査を担当していたところ、社長や上司に対する暴言、上司の指示に対する反抗、女子上行員に対する暴言や付きまといなどの行為が度重なったことから、平成3年5月20日付けで解雇された。原告は、本件解雇は被告が感情に走り、他の従業員に対する見せしめのためになした旨主張し、本件解雇を不当として、従業員としての地位の確認と、給与及び賞与の支払いを請求した。
- 主文
- 原告の請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。 - 判決要旨
- 本件解雇事由の存否について検討すると、次の事実が認められる。
(1)毎月1回行われる朝礼において、社長ないし各担当者が話しをしていた際、原告はわけのわからない質問をしたり、その2、3日後、女子従業員に対し、社長や上司を呼び捨てにした上、「こいつはこんな馬鹿なことを言っている」、「俺が社長になった方がいい」などと述べた。
(2)上司の指示に従わないで勝手に作業をして他の従業員に迷惑を及ぼしたり、作業中「ソクラテスがどうの」、「思想がどうの」などと話し作業を妨げたり、検査が済んで製品を箱に入れて持っていくべきところ、「俺の仕事ではない。馬鹿のやることだから他の奴にやらせればいい」などと言って、上司の指示に従わず、製品を上司に投げつけるなどした。
(3)原告は、女子従業員に対し、作業中、「お前は○○さんとエッチしたことがあるか」、「俺はメス犬とやった」などと述べたり、退社する女子従業員に対し、毎日出入口に待機していて、「一緒に帰ろう」、「お茶を飲みに行こう」などと誘い、これを断られると追いかけるなどの行動に及び、このため退社した女子従業員もいた。総務部長は原告に注意したが、全くこれを聞くような態度を示さなかった。
(4)原告は、得意先の社員に対しても、上司を馬鹿にして名前を呼び捨てにしたり、仕事ができないなどと悪口を述べたりした。
(5)右のような言動を憂慮した総務部長は、平成2年3月20日、原告に上記のような言動をしない旨の誓約書を提出させたが、その後も言動は改まらなかった。
右認定事実によると、原告には就業規則の解雇事由「やむを得ない業務上の都合による場合」に該当する事由が存したというべきである。原告は、本件解雇は被告が感情に走り、他の従業員に対する見せしめのためになした旨主張するが、このような事実を認めるに足りる証拠はない。したがって、本件解雇は有効である。 - 適用法規・条文
- 収録文献(出典)
- 労働判例613号40頁
- その他特記事項
顛末情報
事件番号 | 判決決定区分 | 判決年月日 |
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